夢にまでみたドームでのライブ。

これ以上に幸せな事を私は知らない。

数え切れないほどの人。

色とりどりのサイリウム。

会場を埋め尽くす程の歓声と掛け声。

それらを一身にこの身で受けている。

私はやはりこれ以上に幸せなことを知らない。

だけど、私は欲張りだから1番大切な人に今の私を見て欲しいと思ってしまう。

いいよね…今日くらい…我儘言っても…。

こんなに人が居たら誰が誰だか分からないから、不安になっちゃうんだもの。

『せんせい…見てるかな…』

すると、どこからかせんせいの声が聞こえた。

「見てるよ………………」

それ以外の声は観客の歓声によってかき消されてしまった。

でも、それで十分だった。

せんせい…ちゃんと約束守ってくれたんだ…。

ドームのステージに立ち、せんせいに見守られている。

この瞬間が1番……

『あぁ…幸せだな…』