買い物袋がいつもより重かった。

吐いた息は白く、そこらの家から暖かな光が漏れだしているこの冬。

今日から彼との同棲が始まったからだ。

「はぁ」と白い息をはきだす。

空気は乾燥し、酷く寒いから鼻は赤に染まり、顔をマフラーに埋めた。

私の左側を歩く彼は私の方を見て、「持ち手、片方持たして」と言ってくれた。

いつもより買い物袋は重かった。けれど、いつもより私の心と帰路に着く足も軽なっていた。