翌日、学校に行くとアヤカとミナミに謝られた。


「華音ごめんね。ちょっと、熱くなっちゃって」

「大丈夫。私もごめんね」

「響也に言われたんだ。華音に対して言い方きつすぎるって」

「ごめんね。そもそも私が怪我しなければ良かったよね」

「いやいや、不可抗力でしょ」

「私も、響也くんに忙しいのにごめんねって言いに行ったんだ。そしたら、俺はいいから華音のこと気遣ってやれって言われて」

 時間が解決してくれると響也は言っていたけど、解決してくれたのは時間じゃなくて響也だった。お礼を言おうとしたけれど、昼休みに響也は教室にいなくて生徒会室に探しに行くと、一人で教科書とノートを広げながらお弁当を食べていた。

「アヤカたちから聞いた。ありがとう」

「ああ、じゃあ仲直りできたんだ。よかったじゃん」

「うん。響也のおかげ。ありがとう。ところで、今日みんなは?集まる日だったっけ?」

「いや、宿題片付けたくてさ。家帰ったら伴奏の練習しないといけないし。だからって、教室だと集中できないし、みんなが遊んでるのに勉強してたら周りに気を遣わせちゃうだろ」

「響也も忙しいのにごめん」

「じゃあ、代わりにっていうのも変な話だけど、練習付き合ってくれる?歌ってくれる方が伴奏の練習しやすい」

「私でいいの?」

「華音って歌うまかったじゃん。この間テニス部のみんなでカラオケ行ったけど、華音が一番うまかった」

 響也の方が上手だったはずだけど、その響也が上手だと言ってくれるのなら自信が持てる。今日はスクールも部活もない。私たちは放課後、音楽室に行った。