放課後、部活に行く前またまた教室で二人っきりになり、響也に話しかけられた。
「よっ。元気か」
「あんまり元気じゃない」
「だよなあ。まあ、あんまり気を落とすなって。ほら、部活行こうぜ」
「さっきはありがとね。ちょっと今日は休みたいかな」
頭の中で、音楽の時間の出来事がぐるぐるしていた。
「えー、華音いないと楽しくないじゃん。みんなも心配するって。テニス部の士気は華音にかかってるんだぞ」
「そんなことないよ、生徒会も部活もクラスも全部中途半端でみんなに迷惑かけてるし、アヤカにも嫌われちゃったし」
「いやいや、アヤカはそこまで言ってないって!アヤカは合唱コンクール勝ちたいからつい言い方きつくなっただけで、本当はちゃんと華音のこと好きだって!」
「それに、もしかしたら私も1年の時の合唱コンクールで熱くなって誰かのこと傷つけたかもしれない」
人は自分がやられるまで他人の痛みが分からないものだ。もしかしたら、自分でも気づいていないうちに自分もきつい物言いで誰かを傷つけていたのかもしれない。自分のことが恥ずかしくなった。涙がこぼれた。
「いやいやいや、ここで泣かれたら俺が泣かしたみたいになるから!ちょっと落ち着いて!」
「ごめん・・・・・・友だちとあんまり喧嘩したことないから、どうしたらいいか分からない」
今までうまくやってきたつもりだった。間違いなく友だちには恵まれていた方で、アヤカはいい子だから、今回の件は私が悪い。人間関係に悩むことはなかったから、こうして弱音を吐くのも今回が初めてで、感情が抑えきれない。軽い相談は今まで何度もしてきたけれど、こんなに重いことを本当は言いたくなかった。
「あー、まあ確かにつらいよな。でも、時間が解決してくれるって。合唱コンの練習始まったら、アヤカ一人じゃ仕切れないだろうからさ、華音は自分のできることやればいいって。少なくとも俺は華音の味方だしさ」
響也の大きな手が私の頭をなでる。その手はとても温かくて、落ち着く。
「みんな華音が好きだから一緒にいるんだって。華音の言い方きついとか感じたことないし、華音は優しいからそんなに思い詰めることねえよ。むしろ責任感強すぎるから、ちょっとは肩の力抜けって。俺はちゃんと華音ががんばってること知ってるからさ」
響也は優しい。言葉も行動も全部優しい。だから、みんなに好かれるんだと思う。
「ごめん、ありがとう。ちょっと落ち着いた。部活やっぱり行くよ」
「みんな心配するだろうから一応顔洗ってからいけよ・・・・・・ってやべっ!完全に遅刻だ!」
私が急いで顔を洗っている間も、響也は待ってくれていて、二人でテニスコートまで全速力でダッシュした。
「よっ。元気か」
「あんまり元気じゃない」
「だよなあ。まあ、あんまり気を落とすなって。ほら、部活行こうぜ」
「さっきはありがとね。ちょっと今日は休みたいかな」
頭の中で、音楽の時間の出来事がぐるぐるしていた。
「えー、華音いないと楽しくないじゃん。みんなも心配するって。テニス部の士気は華音にかかってるんだぞ」
「そんなことないよ、生徒会も部活もクラスも全部中途半端でみんなに迷惑かけてるし、アヤカにも嫌われちゃったし」
「いやいや、アヤカはそこまで言ってないって!アヤカは合唱コンクール勝ちたいからつい言い方きつくなっただけで、本当はちゃんと華音のこと好きだって!」
「それに、もしかしたら私も1年の時の合唱コンクールで熱くなって誰かのこと傷つけたかもしれない」
人は自分がやられるまで他人の痛みが分からないものだ。もしかしたら、自分でも気づいていないうちに自分もきつい物言いで誰かを傷つけていたのかもしれない。自分のことが恥ずかしくなった。涙がこぼれた。
「いやいやいや、ここで泣かれたら俺が泣かしたみたいになるから!ちょっと落ち着いて!」
「ごめん・・・・・・友だちとあんまり喧嘩したことないから、どうしたらいいか分からない」
今までうまくやってきたつもりだった。間違いなく友だちには恵まれていた方で、アヤカはいい子だから、今回の件は私が悪い。人間関係に悩むことはなかったから、こうして弱音を吐くのも今回が初めてで、感情が抑えきれない。軽い相談は今まで何度もしてきたけれど、こんなに重いことを本当は言いたくなかった。
「あー、まあ確かにつらいよな。でも、時間が解決してくれるって。合唱コンの練習始まったら、アヤカ一人じゃ仕切れないだろうからさ、華音は自分のできることやればいいって。少なくとも俺は華音の味方だしさ」
響也の大きな手が私の頭をなでる。その手はとても温かくて、落ち着く。
「みんな華音が好きだから一緒にいるんだって。華音の言い方きついとか感じたことないし、華音は優しいからそんなに思い詰めることねえよ。むしろ責任感強すぎるから、ちょっとは肩の力抜けって。俺はちゃんと華音ががんばってること知ってるからさ」
響也は優しい。言葉も行動も全部優しい。だから、みんなに好かれるんだと思う。
「ごめん、ありがとう。ちょっと落ち着いた。部活やっぱり行くよ」
「みんな心配するだろうから一応顔洗ってからいけよ・・・・・・ってやべっ!完全に遅刻だ!」
私が急いで顔を洗っている間も、響也は待ってくれていて、二人でテニスコートまで全速力でダッシュした。