「世界を壊したい

二年A組  宇佐見 姫花

 学年文集の主題の選択肢は、未成年の主張もしくは将来の夢のいずれかであった。学校生活の思い出であれば簡単に四百字詰め原稿用紙を埋めることが出来たが、どちらも難しいので少しでも前置きで字数を稼ぎたいところだ。苦渋の選択として、将来の夢の方を選ぶことにする。

 将来の夢を題材に作文を書くならば、普通は将来なりたい職業を書くものだろう。ここで、あえてそれを書かないで見てはどうだろう。

 将来の夢は「世界を壊すこと」と書いてみる。今年の夏休みに見たSF映画のように、あるいは神話のように、世界に終わりが来たらそれはどんな景色なのだろうか。

 もしも、それを自分の手で起こすことが出来たらなんてロマンチックなのだろうと思うことは不謹慎だろうか。」