僕達は久し振りに職員数人でカラオケに行った。
 曲を探していると、真っ先に彼女が好きだと言っていたデュエット曲を見つけてしまった。

 早く何か曲を入れなければと思っていたが、彼女が結婚してからなんとなく話しかけづらくなっていたし、一緒に歌うなんて気恥ずかしくて入れるのをやめた。

 僕達はアニメやドラマの歌で盛り上がった。

 次の曲を探していた時、聞き覚えのあるイントロが流れた。
 それは彼女と見に行った映画のエンディング曲だった。

 彼女の歌は決して上手ではなかったが、不思議と伝わってくるものがあった。
 歌詞の言葉には実感がこもり、その歌声は切なさに満ちていた。

 カラオケの終了時間が迫る頃……
 僕はあの曲を入れた。

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『雨音~あまおと~』
1、
「雨が好き」つぶやく君の
笑顔がとても寂しかった

君がなぜ そんなに切ない顔するのか
聞けない僕がいる

約束なんて無意味な君に
届かないかもしれないけど
確かな想いは そこにあって

あの雨の夜 ガラスに映った横顔
その奥に君のすべてが見えたんだ

空が流すメロディは
君の心に降りそそぎ

君が流す愛しい痛みを
僕だけが覚えておくから

だからもう隠さずに
僕の前では泣いてもいいんだよ

2、
どうしたら信じられるの
まっすぐに空見つめる君

こんなにも惹かれていたのは
きっと同じ目をしていたから

誰もが羨むような その笑顔の奥で
捨てられた子犬の様に怯えていた君が

傷だらけの手広げて この空の涙の理由を
僕だけに教えてくれた

空が流すメロディは
生まれ変わるため生まれたと

君が流した あったかい光は
誰かの中で生き続ける

もう一度少しずつ
明日のことを信じてみたいんだ

君がいつまでも見上げていた雨音(あまおと)
何よりも愛おしく見えていたんだ

流れ星みたいな君は
いつか消えてしまうけれど

君が残した優しい光を
僕だけは覚えているから

君が残したメロディは
いつか誰かに降りそそぎ

空が流した ささやかな祈りは
あの場所へ帰っていくから

もう一度 少しずつ
誰かのことを信じてみたいんだ

だからもう迷わずに
明日のことを信じたくなったんだ

まぶしく笑う君と虹が見える

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