「だから裸で出てこないで!」

「でもあれね、やっぱり鱗がないってのは落ち着かないわ」

はらり……する……しゅるる……。相変わらず衣擦れの音には慣れない。

「これで、いい?」

リュカのパジャマ姿は、なんだか良い匂いがしそうな可愛らしさがある。実際石鹸の匂いが漂っているし。石鹸は俺が普段から使っているものなんだけれど、女の子が使うと香りが変わる気がするのは何故だろう。

俺もシャワーを浴びて、並んで歯を磨き、リュカをベッドに案内した。

「ここでソラと寝るのね」

当たり前のように言ったリュカの言葉に、どきりとする。

「思えば、オスと寝るのは初体験かも」

「オスと寝るとか初体験とか、そう言う言葉は安易に使っちゃ駄目!」

「ソラの決めごと、よくわかんない」

「そういうものなの! 俺はソファーで寝るからさ」

「一緒に寝ればいいのに。あったかいよ?」

俺は、すぐそばで寝息を立てるリュカを想像する。たぶんこれは、ちょっと耐えられないやつだ。腰のラインで盛り上がった掛け布団とか、寝返りでふにゅんと潰れる胸とか――いかん、頭の中が煩悩でいっぱいになってきた。

「俺もシャワー浴びてくる!」

頭から水を浴びて、気持ちをリフレッシュさせた。リュカの存在は、いろいろと心臓とか下半身とかに良くない。パジャマに着替えてリビングに戻ると、リュカがミュウを膝に抱えていた。