はっきり言ってこっちも落ち着かない。今必要なのが何かはすぐに判断がつく。

「着るものを用意するから、ちょっと待ってて」

「着るもの……うん……なんかそういうのが欲しい感覚……」

俺は背後を振り向かないように気をつけながら、周囲を見渡した。目についたのは、未だ燃え続けている木々だ。

「あれを材料にするか」



《分解》……《合成》……《構築》……



俺は燃え盛る木から炎のようなデザインの服を錬成していく。

「………………」

思わず見てしまった、あのカラダを思い出しながらでないと、当然服の形にならない。大きくも小さくもない、あのバストを支え、秘所を隠し、お尻を――いや、集中集中! 集中してるからこそ思い出す! 仕方ない! 下着も作らざるを得ない! あのおみ足を守る靴も!

「……できたよ」

俺は後ろ手で、そっとそれらを渡す

「それがあなたの力……!」

リュカは俺の錬金術を見て、素直に驚いているらしかった。

「ただの木切れをこんな形に……人間の力も侮れないわね……」

さっそく新しい服に袖を通している。衣擦れの音が、耳に忍び込んでくる。

しゅる……しゅるり……する……。

いやでも、あのカラダを思い出す。俺は愛らしいミュウを見て心を落ち着かせようとしたのだが――。

「うおっ」

思わず声が出た。

「どうしたの、急に変な声出さないでよ」