「失礼、説明が足りませんでしたね。『ステータス』と念じますと、レベルをはじめとした基礎情報が空中に表示されます」

おお、なんかすごいゲームっぽい。高校時代にやり込んだRPGを思い出して、こんな状況であるにも関わらず、ちょっとワクワクしてしまう。



『……ステータス』



心の中でそう唱えると、ヴン、という音と共に緑色の光の枠が現われた。



名前:如月空

年齢:20

性別:男

称号:異世界召還に巻き込まれた人

レベル:1

【HP】50

【MP】50

【攻撃力】10

【防御力】10

【持久力】10

【精神力】10

【素早さ】10

【器用さ】10

【運】10

スキル:【錬金術】



平……凡……それに尽きる。これは一周回って平凡じゃないんじゃないか!?

「皆さまは勇者様であられますから、それぞれ強力なユニークスキルをお持ちでいらっしゃるかと存じます」

金ボタンの男が言った。へ? ユニークスキル? ――ないんだけど。

「俺は【破壊神】だぜ」

わかるわー。

「ウチは【魔女】ね」

うん、そんな感じ。

「私は……【聖女】ですね」

非常に、そんな感じ。

「僕は【勇者】だね」

佐藤明がそう呟いた瞬間、王たちがわっと声を上げた。

「おお! 真の勇者ではないか!」

「僕たちはみな勇者だという話でしたが、それは?」