――グルルルルルルルゥ



間違いない、ウルフの群れだ。前回は木々に絡まったツタを利用して罠を作ったのだが、今回はそうはいかない。やはりこの場所は危険だったのだ。

「真正面から相手するしかないってわけか」

隠れてろ、と囁くと、ミュウは素直にネリーの花畑にもぐった。

摘んだ赤い花びらが風に舞う。



――グルァアアアア!



3匹のウルフが、同時に襲い掛かってきた。俺は姿勢を低くして、片足を軸に回転しつつ抜刀――三匹の鼻面を切り裂いた。その影から、さらに二匹、三匹の爪が殺到する。バックステップで距離を取ると、ウルフが正面衝突――その隙を逃さずに、一閃で二匹の首を撥ね、返す刀で残ったウルフの腰を切断した――その間も俺は《鑑定》をフル活用して、ウルフコマンダーを探す。連中は頭さえ押さえれば退散するのだ。

戦闘を続けるうちに、ウルフコマンダーはすぐに見つかった。ひらけた場所での戦闘は、こっちに有利な部分でもあったのだ――しかし。

「一匹……じゃないッ!?」

ウルフコマンダーが五匹――襲い掛かってきた場所もそうだが、明らかに前回の経験を踏まえて、こちらを殺しに掛かっている。Sランクの魔物を、これだけの数相手にするのは初めてだ。

「クソッ、やるしかないのか……」

じりじりと、ウルフコマンダーの群れが距離を縮めてくる。

俺はミスリルの剣を、上段に構えた。