今日も無事に生き延びることができた。それには、自分の運に心から感謝する。しかし。

「いつまでも、こんなところにはいられねえよな……」

いられないし、いたくない。いつかは必ず、この森から脱出するつもりだ。しかしそれを成し遂げるには、SSランクの魔物と渡り合う必要がある。

「剣は作ったし、次は防具ってところか。いや、ひとまずはそれよりも……」

俺はステータスを開く。ウルフコマンダーの魔石から、新たに得たスキル《共鳴》。

「どう使うものなんだろ」

スキル一覧を見てみると《鍛造》が白く浮き出ている。

「ちょいと、やってみるか」



《鍛造》



『〈誓約の首輪〉が生成されました』



「お?」

虚空から膨らむようにして現れた、青く透明な輪が、ふわふわと宙に浮いている。

手に取ってみると、少し温かかった。

「なんだこれ、どう使うんだろう……」

誓約の首輪、ということは首に着けるものなのだろうけれど、これを装備してどうなるのかがわからない。しばし考えていると。

「!」

ミュウが、興味を示した。指にひっかけている誓約の首輪を、ぷるんぷるんと小突いている。

「なんだ、欲しいのか?」

MPだけでいくらでも生成できるものらしいし、あげてしまって構わないだろう。誓約の首輪を柔らかい身体にくぷっと押し当てると、ミュウはそのまま飲み込んでしまった。

「おいおい」