かなり攻撃されていたようだが、致命傷を受けた様子はない。俺は携帯していた〈治癒の薬草〉をミラクルスライムに与えた。ぷるぷるの身体についた傷が、少しばかりふさがった。

「危ない場所には近づくなよ……って、人のこと言えた義理じゃないか。さてと」

俺は早速、魔石を掲げた。



《抽出》



『ウルフコマンダーの魔石を《抽出》しました』

『ウルフコマンダーのスキル【共鳴】を取得しました』



「イジメっ子の癖に、格好いいスキル持ってたんだな」

とんだ寄り道になってしまったが、俺は食料収集を再開した。水を汲み、レインボーフルーツをもいでいると、後ろに気配がする。

「お前、ついて来てたのか」

ミラクルスライムが、ぽよんぽよんと跳ねていた。俺はなんとなく、ミラクルスライムのステータスを確認してみた。



名前:

年齢:1

性別:なし

称号:野生のミラクスライム

レベル:1

【HP】25

【MP】30

【攻撃力】5

【防御力】5

【持久力】5

【精神力】5

【素早さ】30

【器用さ】5

【運】5

スキル:【食いしんぼう】



「お前……」

ミラクルなんて名前がついてるわりに、ステータスはというと、この森に追放されたばかりの俺と大差ない。素早さが少し高いぐらいか。

「そんなに弱いのに、ひとりでウロウロしてたのか……」