《鑑定》を使うと、〈ウルフ〉と表示された。獲物を囲い込んで狩りをする動物らしい。一体一体は、悪魔の森の魔物としては弱い部類に入る。しかし問題はその数だ。ぱっと見る限り、十五匹ほど。奴らの中央で攻撃を受けているのは、ぷるんとした水色の物体だった。ウルフの爪を喰らうたびに、大きな目を瞑って耐えている。ときおり、ぴょんぴょん跳ねて逃げようとするのだが、敏捷なウルフの連携からは抜け出せない。
「あいつ……」
《鑑定》――〈ミラクルスライム〉。ステータスを見るまでもなく、脆弱な魔物であることがわかる。ミラクルスライムは、完全に、一方的になぶられ続けていた。物陰に隠れている俺と、ミラクルスライムの目が合う。ミラクルスライムは当然言葉を発しない。しかし、あの大きな瞳が訴えようとしていることは、胸が痛いほど伝わってくる。
(たすけて)
ウルフの爪は、次々と襲い掛かる。ゲル状の身体が、どんどん傷付いていく。
「見てられない……!」
あろうことか、魔物に情を移してしまった。俺はミスリルの剣を抜くと、木の幹を蹴って大きく跳躍、今まさにミラクルスライムに牙を剥こうとしていたウルフの胴を切り裂いた。
――ガルルルゥ!
ウルフたちは、すぐさま攻撃目標をミラクルスライムから俺へと切り替えた。正面から襲い掛かってきたウルフの頭蓋骨を、ミスリルの剣で叩き割る。
「助太刀だッ!!」
「あいつ……」
《鑑定》――〈ミラクルスライム〉。ステータスを見るまでもなく、脆弱な魔物であることがわかる。ミラクルスライムは、完全に、一方的になぶられ続けていた。物陰に隠れている俺と、ミラクルスライムの目が合う。ミラクルスライムは当然言葉を発しない。しかし、あの大きな瞳が訴えようとしていることは、胸が痛いほど伝わってくる。
(たすけて)
ウルフの爪は、次々と襲い掛かる。ゲル状の身体が、どんどん傷付いていく。
「見てられない……!」
あろうことか、魔物に情を移してしまった。俺はミスリルの剣を抜くと、木の幹を蹴って大きく跳躍、今まさにミラクルスライムに牙を剥こうとしていたウルフの胴を切り裂いた。
――ガルルルゥ!
ウルフたちは、すぐさま攻撃目標をミラクルスライムから俺へと切り替えた。正面から襲い掛かってきたウルフの頭蓋骨を、ミスリルの剣で叩き割る。
「助太刀だッ!!」