後日、友好都市宣言式の際、エルダーリッチの下着は、めでたくソラリオンへと譲渡された。盛大な拍手が鳴り響く中、俺は紫色の下着を改めて手にした。

 ソラリオンからは自動車、そしておまけでミュウの石像が送られた。石像は予想以上に喜ばれたらしく、エル=ポワレでもミラクルスライムまんじゅうを作りたいと、菓子職人から相談があった。まんじゅうも、ソラリオンからのお土産だ。なにも魔法アイテムだけを持ち込んだわけではない。

 エル=ポワレは〝研究〟というものが根付いている町だから、これからもいろんな文化を貪欲に、柔軟に吸収していくのだろう。協定を結んで良かったと心から思い、俺はエルダーリッチの下着が入ったケースを抱きしめた。


 ちなみにエルダーリッチは、三日ほど口をきいてくれなかった。


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