「ミュウにも指輪をあげたし、サレンにも指輪を渡すのね! なんで私にはなにもないの!」
「ソラ、王としての責任を果たせ」
「わたくしもなにか欲しいですわ! お兄さま!」
「私は~なにがいいかな~」
――みんなは、指輪もらってないんだ。
これは、私だけ。
私だけの、指輪。
嬉しくなって、私はまた魔力の塊を打ち上げた。
次第に爆発の色もコントロールできるようになってくる。
赤、青、緑、紫、そんなハナビに照らされて。
ソラは心の底から、満足げに見えた。
「ありがとう、サレン」
上を見上げたまま、ソラは言った。
「これからも、よろしくな」
「うん」
私は思わず、ソラの腕に抱きついた。
* * *
今日はみんなで、町役場の会議室に集まっている。
商人たちの書類に必要だということで、国の名前を決めることになった。ファンタジーに出てきそうな、なにかカッコイイのを考えたかったのだけれど。
「ここは錬金王と魔王が治める“錬金魔王国”じゃ!」
という感じで、町長がノリで決めてしまった。
なんというか――すごく怪しげだ。
「私はソラが王様なら、それでいいわ」
サレンは嬉しそうに言った。
エルダーリッチは、サレンがリュカたちと同等の力を手に入れたと言っていた。念のため《鑑定》してみる。
名前:サレン
年齢:12歳
性別:女
称号:夜を抱く者
レベル:1000
【HP】30000
【MP】77000
【攻撃力】12000
【防御力】16000
【持久力】11000
【精神力】34000
【素早さ】21000
【器用さ】15000
【運】21000
スキル:【百鬼夜行】