「ああ、美味いな」

 子供たちの遊ぶ声、店の呼び声。こうして噴水を眺めていると、昔の荒れ果てた村が嘘のようだ。

「ごきげんよう、王様!」

 町ではいろんな人に声をかけられる。

「実は面白いアイディアがありましてね!」

 この町が、悪魔の森の下に独立することが決まってから、みんなはいよいよ活発になった。創意工夫を凝らして、俺が知らないところでも、どんどん新しいものが生まれている。

 農作物も、ずいぶんと種類が増えた。また新しい料理に挑戦できるかもしれない。

「ぜひ、お話を聞かせてください」

 忙しい毎日だが、それが本当に楽しくてたまらなかった。