そう、水を得ただけで満足してはいけない。腹が減れば動けなくなる。動けなくなれば死ぬ。タイムリミットは決まっているのだ。

俺は、探索を再開した。ツタを潜り、草木に分け入り、岩を乗り越え――。

「お」

腐葉土の上に、きれいな石が落ちていた。ゴブリンジェネラルを倒したときに手に入れた魔石ととてもよく似ている。



《鑑定》



〈オークキングの魔石〉



「なるほど《鑑定》を使うと、どの魔物の魔石か分かるんだなぁ……」

――待てよ。

どうして魔石を魔物ごとに区別しているんだ? もしかすると魔石の性質が、それぞれ違っていたりするんじゃないだろうか。

俺はその場でステータスを開き、しばし考えた。

「《抽出》を使うと、どうなるんだろう」

魔物の名前が消えて、ただの魔石になるのかな?

「いや、そもそも魔石の用途がわからない以上、いま考えることじゃないな」

俺は一応オークキングの魔石をポケットに入れて、探索を続けた。

しばらく歩くと、少し森がひらけてきて、日射しが入るようになってきた。

そこで、とうとう食料らしきものを見つけた。背丈くらいの高さの木に、卵ほどの実がなっている。もいで日に透かしてみると、虹色に光ってきれいだった。思わずかぶりつきたくなるけれど、さすがにそんなことはしない。



《鑑定》



〈レインボーフルーツ〉