兵士は息を切らせつつも、真っ青な顔で震えている。脂汗が、真っ赤な絨毯にシミを作った。
「ご……報告……申し……上げます……!」
「よいから、はよう言わんか」
「魔王の残党を追っていたところ……まったく正体不明の魔物に襲撃され……部隊が全滅……いたしました……!!」
謁見の間がざわめいた。
「全滅!? どういうことだ!? 何に遭遇したのだ!?」
兵士から詳しく話を聞くと、王は〈魔女〉に【遠隔透視魔法】を使うことを命じた。
【遠隔透視魔法は】念じた場所に〈眼〉を飛ばし、その場の風景を映し出すことができる、上級魔法だ。
「お任せですー!」
「まあ、どんな魔物でも俺たちで行きゃあ、秒だけどな!」
〈魔女〉が片目をつむると、玉座の横にある垂れ幕に、スライムがでーんと映し出された。
「なんだ……こんなものを相手にどうして我が精鋭が……」
――ぱくんっ
視界がスライムに包み込まれ、映像がパリンと割れた。
「ミギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
〈魔女〉は片目を押さえながら、絨毯の上に仰向けに倒れた。悲鳴を上げながら転げ回る。
「おい、マジかよ……大丈夫かよ……」
この状況を見て、大丈夫だと言える人間はいないだろう。〈聖女〉が慌てて【ヒール】を使ったが、目覚める様子はない。
「これは……まさかこんなものが……実在するとは……!」
「ご……報告……申し……上げます……!」
「よいから、はよう言わんか」
「魔王の残党を追っていたところ……まったく正体不明の魔物に襲撃され……部隊が全滅……いたしました……!!」
謁見の間がざわめいた。
「全滅!? どういうことだ!? 何に遭遇したのだ!?」
兵士から詳しく話を聞くと、王は〈魔女〉に【遠隔透視魔法】を使うことを命じた。
【遠隔透視魔法は】念じた場所に〈眼〉を飛ばし、その場の風景を映し出すことができる、上級魔法だ。
「お任せですー!」
「まあ、どんな魔物でも俺たちで行きゃあ、秒だけどな!」
〈魔女〉が片目をつむると、玉座の横にある垂れ幕に、スライムがでーんと映し出された。
「なんだ……こんなものを相手にどうして我が精鋭が……」
――ぱくんっ
視界がスライムに包み込まれ、映像がパリンと割れた。
「ミギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
〈魔女〉は片目を押さえながら、絨毯の上に仰向けに倒れた。悲鳴を上げながら転げ回る。
「おい、マジかよ……大丈夫かよ……」
この状況を見て、大丈夫だと言える人間はいないだろう。〈聖女〉が慌てて【ヒール】を使ったが、目覚める様子はない。
「これは……まさかこんなものが……実在するとは……!」