〈ゴブリンジェネラルの魔石〉と表示された。魔石はゴブリンジェネラルの口から出たものらしく、オレンジ色の血に塗れていた。

俺はゴブリンジェネラルの衣服で魔石を拭い、拾い上げた。

魔石は青く透きとおっている。ただのゴミということはなさそうだ。俺は魔石をポケットに入れた。何かの役に立つかもしれない。俺は出っ張った岩に座り込んで、ほうと息をついた。あのやり方で、力をつけていくことはできるのかもしれない。

しかし、必要なのは力をつけることだけじゃない。当然のことだけれど、生きていくためには水と食料が要る。このまま洞窟に隠れていても、死を待つだけだ。俺はしばらく岩に座ったまま、黒い地面を見つめていた。

「……勇気を出さないと、だな」

俺は思いきって立ち上がり、洞窟を出て、探索を始めることにした。

相変わらず森はざわめきに満ちている。どこから魔物が出てきてもおかしくない雰囲気だ。

こんな状況だが、不思議と身体が軽い。レベルアップの影響だろうか。

「でも今のレベルじゃ、ここにいる魔物には勝てる気がしないけどな……」

水と食料の次に、欲しいのはレベルだ。この森で生きていくためには、どうしたって強くなければいけない。今は慎重に、隠れながら進むことだ。