「お兄様っ! おはようございます……って何事ですの!?」

テーブルに伏している我らを見て、フウカが口元を押さえる。

「そうやってわたくしに隠れてイチャイチャイチャイチャ! お兄様のお馬鹿っ!」

「いや、これはそういうのじゃなくって……」

「じゃあなんだと仰いますの!?」

「これはエルダーリッチが考えたゲームで……」

「なにそれ~面白そ~」

ホエルも入ってきた。エルダーリッチは腕を組んで、ふむと頷く。

「六人用を開発せねばならんな……」

「みゅ! ボクモ! ボクモ!」



結局、出立は昼過ぎとなった。致し方あるまい。





*   *   *





エルダーリッチが【門】を開く。

「さあ、外の世界だ」

ちょっと――いや、かなりドキドキする。これから森を出るんだ。

「ソラから行け。君が切り拓いた道だ」

「……わかった」

俺は真っ暗な【門】を潜り――出た場所は、どこまでも広がる草原だった。

「これが……外の世界……」

俺は胸いっぱいに深呼吸した。森の中の湿った空気と違って、心が洗われるような涼しさだ。燦々と射す陽の光は、森の中で見るよりずっと眩しく思えた。

「青空が大きいな……」

エルダーリッチを除けば、みんな、こんな風景を見るのは初めてだ。草原を少し歩くと、人が作ったらしい道があった。

「ここを進んでみようか」

「どこへ続くの?」