ふたりは椅子に座っていて、テーブルには何やら小さな石のようなものが並べられている。

「これは……いったい何だ?」

我が尋ねると、エルダーリッチは胸を反らした。

「私が開発した芸夢(ゲーム)というものだ。この石を兵士に見立てて合戦をする。今まではひとりで遊んでいたのだがな、対戦相手ができて嬉しいぞ」

「くっそー、また負けたー!」

ソラは悔しそうに頭を抱えている。

「私が考えた芸夢で、私が負けるわけがないだろう。だからこその縛りプレイなのだが」

エルダーリッチがクククと笑った。

「そこのふたり、お前たちも参加するか? この芸夢は四人まで遊べるように作ってある。私に勝てるかどうかは……自ずと知れたことだがね」

よくわからんが、勝負を申し込まれたらしい。

「なんだかわからないけど、受けて立つわ!」

「私も……売られたケンカは買う主義だ」

「よし! ならばルールを教えてやろう」

結局我らは、夜が明けるまでひたすら芸夢に打ち込んだ。

しかし、何度勝負してもエルダーリッチの一人勝ちだった。

「ぐぬぬ……次こそは……」

「ソラ、オハヨー! アレ、ミンナイル!」

寝床から出たミュウは、ソラのすねにぽいんっと体当たりした。

「ヨフカシ、ダメ!」

「そうだな……はは」

ソラはすっかり憔悴しきった様子だったが、それはそれでなんというか――可愛げがあるというものだ。