俺たちは、エルダーリッチに城を案内することにした。

「まずは、外から見てみようか」

門まで出ると、城の全体像が見える。我ながら、巨大な城を建てたものだ。エルダーリッチは、目を丸くしていた。

「いつの間にこんなものが……! さぞかし年月をかけて建てたのだろうな。人足はどうしたのだ?」

「ひとりでやったよ。錬金術を使っても、七日かかったけど……」

「七日で! ひとりで!」

エルダーリッチは、俺にぎゅっと抱きついてきた。

「やはり、君は特別だ!」

抱きついたまま、エルダーリッチは続ける。

「しかし、何を思ってこんなたいそうな物を造ったのだ」

「それには理由があって……」

俺は、固有種が縄張りを守らなくても機能する、法治国家を作り上げたことを話した。するとエルダーリッチは、さらに力を入れて抱きしめてきて、俺の頭をわしわしと撫でた。

「魔物たちのことまで考えていたのか! 本当に君というやつは……君というやつは……!」

そうやってスキンシップを取っていると、リュカたちの目が、どんどん鋭くなってくる。

「と、とりあえずご飯にするか! お腹空いてるだろ、みんな!」

調理場に向かうすれ違いざまに、バシッ、バシッ、とリュカとフェリスにお尻を叩かれた。

「自重して」

「調子に乗るな」

こいつら、なんやかんやで息ぴったりだな。