「確かに、そんなことをのたまうヤカラがいることは否定しない! 錬金術はスキルとしてはかなりトリッキーだからな! だからこそ、極めればありとあらゆる応用が可能となる……ソラ、君は錬金術を極めたのだ!」

エルダーリッチは、がしっと俺の肩を掴んだ。

「私の弟子にならないか!? 私は長い年月をかけて、魔法の研究を続けてきた。誰にも伝えられるはずのない魔法をだ……」

途方もない時間を噛みしめるように、エルダーリッチは言った。

「どんなことでも教えてやろう! 魔法と錬金術が組み合わされれば、君は至高の存在へと上り詰めるはずだ!」

「そんなおおげさな……」

「おおげさではない! 君は自分の実力を見誤っている! 私も昔は弟子をもったものだったが、君はその中でも最高の可能性を秘めている!」

もう弟子ということにされてしまった。

「私の書斎を見ただろう、あそこにある魔道書の半分は私が綴ったものだ! そのすべてを君に授けよう! いや、それでは足りないな……まだ私の頭の中にしかない理論もたくさんあるんだ! 自慢ではないが、この大迷宮を造ったとき、私は世界最高位の魔術師だった! 君は最高の弟子だが、私だって最高の師匠となるはずだ!」