「これでも……喰らえッッ!!」



《分解》《金属変換》《融解》《酸化》――。



俺はありとあらゆる錬金術のスキルを使い、〈人工物〉アジ・ダハーカをめちゃくちゃに変質させた。



――グルォ……グル……ギル……クルァ……カルルルルルルル……キュル……



アジ・ダハーカは光を放ち、花火のように明滅し、一つ目から火を吹き、鱗が剥がれ、首が千切れ飛び、砕け散り――崩壊した。



――キ……リ……



俺はわずかに残った頭部の一部を、かかとで踏み潰した。

「ちくしょう…………」

砂場のようになった広場で、立ち尽くす。

「ちっくしょおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

俺は膝をついて、石畳を叩いた。

こんなこと――こんなことがあっていいのか?

勝ったなんて言えない。

ミュウは、もういないのだ。

大事な仲間を――喪ったのだ。

人間態に戻ったリュカも、フェリスも、フウカも、ホエルも、みんな泣いていた。

勝利の喜びなんて、どこにも、これっぽっちもなかった。

「………………」

俺はフラフラと立ち上がると、石ころと化したミュウに近づき、抱きしめた。

「許してくれなんて……言えないよな……」

涙がこぼれ落ちて、ミュウを濡らした。



――ぽにゅん



「……へっ?」

涙で霞んだ目を開くと、そこにはいつも通りに透きとおったスライムがいた。