【天衣無縫】



先ほどとは比べものにならない威力で、大腿骨はボーンレギオン自身を叩いて砕け散る――その隙を突いて、砕けた骨をフェリスが凍結させ――フウカがそこに無数の雷撃を叩き込んで破裂させる。残った頭蓋骨を、俺のミスリルの剣が一刀両断した。

しかし、思った通りボーンレギオンは再びカタカタと組み上がる。

「私に任せて!」



【獄炎焦熱】



――ガルルルルルルルォオオオオオオ!



リュカの放った強烈な炎の渦が、ボーンレギオンを焼き尽くした。骨は灰となって、石畳に降り積もる。

「ここまでやれば……」

しかし――。



――カサカサ、カサカサカサ



燃え尽きた灰が、再び魔物の形を取る。

「嘘だろ……?」



《鑑定》



〈クリーメイテッドレギオン〉



「本当にキリがねえ!」

「お兄様っ! ひとつ提案が!」

クリーメイテッドレギオンの攻撃をいなしながら、フウカが言った。

「隙の無い球体を作ってくださいまし! そこにあいつを閉じ込めれば!」

「オーケー! ホエル! 鉄球をもうふたつ!」

放り投げられた鉄球を、俺は《分解》で薄く引き延ばし、クリーメイテッドレギオンの足下をすくい上げる。



――グルルォォオオ



《構築》



引き延ばした鉄が大きな球を形作り、転倒したクリーメイテッドレギオンを包み込んだ。

「これで……どうだっ!」