今回、大迷宮攻略にあたって、様々な材料を用意した。錬金術でいちばん使えるのは金属なので、かなりの重量がある。いちばん力の強いホエルのリュックに、俺はすべての材料を預けていた。

「は~い」

ホエルが投げて寄こした鉄球を、俺は即座に《分解》《構築》する。

「こいつでどうだ!」



――ガシャーン



出来上がった巨大な檻が、骨をひとまとめに閉じ込めた。

「こいつらを相手にしてる暇はない、行こう」

檻を横切ったとき、カァーンと高い音が部屋に響いた。思わず檻を振り返ると、中で異常な事態が起こっていた。

スケルトンが、互いを攻撃し合っている。

「仲間割れでしょうか!?」

「どうやらそういう感じでもなさそうだ」

互いの攻撃で砕けた骨が、檻の隙間から転がり出てくる。

「脳みそスカスカのくせに、考えるじゃねえか……」

そして骨は元通りの姿に――ならなかった。

魔物五体の骨が、複雑にかみ合う。まるで子どもが悪ふざけで並べたような、おぞましい一体の魔物になった。



《鑑定》



〈ボーンレギオン〉



ボーンレギオンは、巨大な大腿骨を振り上げて、一気に振り下ろした。咄嗟にそれを避け――俺の立っていた石畳が、粉々に砕け散る。単に合体しただけではなく、力も大きく増している。

「全員でかかるぞ!」

ホエルが跳躍して、再び振り上げられた大腿骨を掴んだ。