その後にも、冷気が吹き荒れる部屋や、炎が渦巻く部屋、重力が増す部屋などがあったが、

それぞれフェリス、リュカ、ホエルのスキルで対処することができた。本当に頼もしい連中だ。

ただ、触手の部屋だけはちょっと大変だった。捕らえられたのはホエルだ。

「やだ~ぬるぬるする~」

ホエルの豊かな胸を、触手が持ち上げ、揉み込み、むにむにとした柔らかさが、見るだけで伝わってくる。触手はさらに細い腰を縛り上げ――あれはどういう意図で組まれた罠なんだ?

「ええ~い【天衣無縫】~」

ホエルは自分の身体を重くして、ズルズルと触手から逃れた。

「ぬるぬる~取れない~」

ホエルはあろうことかフェリスに駆け寄って、

「近づくな」

つま先で蹴られていた。

しかし、その次の部屋に入ると、みな息をのむ。

魔物の骨が、堆く積まれていた。

「ここは……墓場か?」

リュカが首をかしげる。

「こんな場所で~お墓を作る人がいるのかしら~」

そんなやり取りをしている横で、フェリスは、すでに氷の剣を構えていた。

「抜け……来るぞ……!」

俺はフェリスの言葉通りに、ミスリルの剣を鞘から抜いた、その瞬間――積まれた骨が、まるで爆発したかように、俺たちに向けて襲いかかってきた。

「………………!」



【阿修羅】