おうっ、と手を押し込んだ。

「頼りにしてね!」

「私も力の限りを尽くそう」

「どこまでもお兄様についていきますわ!」

「わたしはね~がんばるよ~」

「ボクタチ! ツヨイ!」

みんなの気持ちがひとつになっている。

よく眠れるハーブティーを飲んで、俺たちは各々の寝室へ向かった。俺はベッドに潜ると、ミュウに話しかけた。

「頼りにしてるぞ、相棒」

「ウン!」

ミュウはぽいんっと跳ねて、そのまますぐ眠ってしまった。

「無邪気だな、ほんと」

俺がランプを消そうとしたとき、ドアがノックされた。

「私、入ってもいい?」

返事をすると、寝間着姿のリュカが、おずおずと中に入ってきた。

「なかなか眠れなくて。話をしたかったの」

ベッドの傍らのイスに座ると、リュカはぽつりぽつりと話し始めた。

「あなたは本当に不思議な人ね、ソラ」

「別に、特別なことなんて、何もないよ」

「謙遜しないで。私はこの森で使命を果たして、この森で死んでいく。そう思っていたわ。でも……」

リュカは俺の顔を見て、笑った。

「今は外の世界への憧れでいっぱいなの。ソラ、あなたが私を変えたのよ。獄炎竜リンドヴルムを」

「その名で呼ばれるのは、嫌じゃなかったのか?」

「自分で名乗る分には構わないの。ソラは変わらずリュカって呼んで」

「リュカ」

「うん」