ずっと俺についてきてくれた、ミュウ。俺の相棒が、背中を押してくれている。

「やるか! 大迷宮攻略!」

ようやく、踏ん切りがついた。俺には仲間がいる。みんな、俺の助けになってくれている。駄目なら駄目で、何度も挑戦するだけだ。

「……この指輪、お前が持っててくれないか」

俺はオリハルコンの指輪を、ミュウに向けた。

「友情の印だ」

どたどたっ、と背後で音がした。振り向くと、四人が重なり合って倒れている。

「覗き見してたのか……」

「違うわよ!」

リュカが立ち上がってふんぞり返る。

「様子を見てただけ!」

「それを覗き見って言うんだよ」

「それよりその指輪だけど……私が持ってた方が良くない?」

続いてフェリスが立ち上がる。

「ミュウに指はないが、私にはある」

「それならわたくしにも権利がございましてよ! お兄様っ!」

フウカがずんずんとこちらに歩いてくる。

「じゃあ、私も欲しいな~」

ホエルがそれに続いてやってきた。

「最初にソラと組んだのは私よ!」

「チガウ! ボク!」

「抜け駆けは許しがたい」

「お兄様っ!」

「それ欲しいな~」

指輪の争奪戦が始まった。

「わたくし、夜目が利きませんの! 何も見えませんわ! 皆さまずるい!」

「夜は私の時間だ」

「ちょうだ~い」

「もう、離しなさいよ馬鹿力! あっ!」