俺は思わずビクッと身体をすくませた。肉体があの激痛を覚えているのだ。

「またマッサージしてあげるね~」

「ご遠慮いたします」

そこに、リュカがおずおずと声をかけてくる。

「ソラ……その、軟膏を塗るわよ……回復しないといけないから」

「塗るって……その……場所的には……」

俺が尋ねると、リュカの顔が真っ赤になる。

「こ、こここ……」

「股関節だ」

フェリスがクールに答え――たわけではなくて、こっちも目を伏せて、顔を赤らめている。

「いや、ここはさすがに自分で……」

「身体が動かないんでしょ? なんというか…ここは遠慮するところじゃないわよ……」

俺はズボンを脱がされて、リュカとフェリスのふたりがかりで、実にぎこちなく軟膏を塗られた。

「わたしも手伝うよ~」

「「ホエルは引っ込め!」」

ふたりの声が、きれいに重なる。股間に薬を塗られていると、やっぱり身体は反応するものであり、温泉の滋養強壮の効果を、リュカとフェリスは見ないふりをしてくれた。

俺は決意した。

元気になったら、大浴場に鍵を取り付けよう、と。

ラッキースケベは命に関わる。