* * *
俺が目覚めたのは、城の寝室だった。
「ソラ、気がついた?」
リュカとフェリスが、ベッドを覗き込んでいた。
「水を飲むといい」
フェリスが水差しをこちらに向けてくれる。俺は吸い口から水をごくごくと飲んだ。身体に染み渡るようだ。
「もう平気?」
リュカに言われて、俺はもぞもぞと身体を動かそうとしてみる。
「うぴっ!」
「どうしたの!?」
「全身に痛みが……足の付け根が、なんかもう外れそう…足の付け根」
俺がそう言うと、
「あしの…つけね……」
「うむ……」
リュカとフェリスがさっと顔を背けた。なんだか耳が赤くなっているのが見える。待てよ――全裸で死にかけていた俺が、いま寝間着を着ているということは、その、つまり。
「素っ裸の俺を、運んで、服を着せてくれた、と……」
「き、緊急事態だったから! 仕方ないでしょ!」
「責める気はまったくないから! むしろありがとう! ありがた恥ずかしいよ!」
その横で、ホエルがフウカに怒られている。
「あなたは力加減というものを覚えなさい! お兄様のHP、残り3でしたのよ!」
「ソラは繊細なのね~」
「ホエルが粗暴なだけですわ!」
「そうかしら~」
ホエルは、怒られている自覚がないらしい。
「あ~、ソラ、目が覚めたんだ~」
