「お前は王になれ、ソラ」
フェリスが言った。この悪魔の森には、国という概念はなくとも、王とは何かという認識はあるらしい。いずれ王が必要となるということは、互いの縄張りをもって争い合う中で、自然と生まれた考え方だろう。
「無論、それを断って森を放浪するのも、お前の自由だがな。だが私たちと不断の契りを結んだ以上、お前は選択しなければいけない。私たちを城から放り出すか、それとも城の主として……王として君臨するか」
「わたくしも、それがよろしいかと存じますわ! お兄様!」
フウカもそれを後押しする。
ということで、俺はこの森の王ということになってしまった。
「王様……かあ」
正直、王様というのに良い思い出はないんだけど、みんなが支えてくれるなら、なんとかやっていけるかもしれない。
「わかった……俺は王になるよ。でも忘れないで欲しい。ここにいるお前たちあっての、王だということを。俺が馬鹿なことをしでかしたら、ちゃんと諫めてくれ」
「百も承知だ」
フェリスが呟くように言って、それにみんなが頷いた。
俺はお茶のおかわりと、クッキーを用意して、みんなに振る舞った。まだ話すことはたくさんある。重要なのは、法の相談だ。これはかなり長引いて、それが終わるとやっと人心地がついた。
「それじゃあ、ひとっ風呂浴びるか!」
フェリスが言った。この悪魔の森には、国という概念はなくとも、王とは何かという認識はあるらしい。いずれ王が必要となるということは、互いの縄張りをもって争い合う中で、自然と生まれた考え方だろう。
「無論、それを断って森を放浪するのも、お前の自由だがな。だが私たちと不断の契りを結んだ以上、お前は選択しなければいけない。私たちを城から放り出すか、それとも城の主として……王として君臨するか」
「わたくしも、それがよろしいかと存じますわ! お兄様!」
フウカもそれを後押しする。
ということで、俺はこの森の王ということになってしまった。
「王様……かあ」
正直、王様というのに良い思い出はないんだけど、みんなが支えてくれるなら、なんとかやっていけるかもしれない。
「わかった……俺は王になるよ。でも忘れないで欲しい。ここにいるお前たちあっての、王だということを。俺が馬鹿なことをしでかしたら、ちゃんと諫めてくれ」
「百も承知だ」
フェリスが呟くように言って、それにみんなが頷いた。
俺はお茶のおかわりと、クッキーを用意して、みんなに振る舞った。まだ話すことはたくさんある。重要なのは、法の相談だ。これはかなり長引いて、それが終わるとやっと人心地がついた。
「それじゃあ、ひとっ風呂浴びるか!」
