外れスキルでSSSランク魔境を生き抜いたら、世界最強の錬金術師になっていた~快適拠点をつくって仲間と楽しい異世界ライフ~

「うん~」

これで、固有種四体が揃い踏みしたということだ。国を作り、法を敷き、基盤を整える準備ができた。そうなれば、とうとう大迷宮の攻略に挑むことができるということだ。

「しかし、俺たちが森を練り歩いて、自分たちが長だってことを喧伝するのは違うな。効率が悪いし、何より印象が長続きしない可能性がある」

国を作り、法を敷くに当たって、重要なのは権威を示すことだ。それが俺たち自体では、外に出ることも叶わなくなる。となれば、必要なのは象徴だ。この森を睨み続ける、象徴として相応しいもの――。

「城、建てるか!」

サンドボックスゲームの経験が役に立ちそうだ。サンドボックスゲームというのは、世界から材料を集めて何かを作る系のやつで、一時期結構ハマったのだ。

それから、俺の城造りの日々が始まった。

できるだけ巨大で、威容があって、自分たちの崇める対象だという雰囲気を持った建築。これにはさすがに手こずった。岩を移動させ、柱を構築し、塔を建てる。建築の知識は、不思議と頭の中で整理されていた。不思議に思ってステータスを開いてみると《建築》というスキルを、いつの間に身につけていた。今まで行った材料の整理作業が、スキル獲得のきっかけになったのかもしれない。