外れスキルでSSSランク魔境を生き抜いたら、世界最強の錬金術師になっていた~快適拠点をつくって仲間と楽しい異世界ライフ~

「リュカとフェリスのスキルを《融合》したんだ。お前たちからもらったスキルあってのことだよ」

「錬金術には、いつも驚かされるわね……」

感心しているリュカの横で、フェリスも呟くように言った。

「ソラの策士としての能力は認めていたが、あれほどの戦闘力を持っていたとはな。やはりお前は蔑ろにできん男だ」

「おかげでMPを使い果たして、くたくただよ」

俺はそう言って笑ってみせたけれど、本当に倒れそうなくらいに疲れ果てていた。しかし、もっとつらいのは不死鳥だろう。

「獄炎竜リンドヴルム……どうぞお好きなところへ行ってくださいまし……これで、この森はおしまいですわ……」

「いや、そんなことにはならない」

俺は不死鳥の前に立って言った。

「いいか、俺たちはここに国を作るんだ。」

俺は不死鳥に、この森の共和国構想を伝えた。固有種によって敷かれた法の下で実現する、新しい秩序のことを。

「そ……そんなに深いお考えが……」

目を見開いて、不死鳥は羽をばたつかせた。

「……それなのにわたくしったら、ああ、もう、お恥ずかしいですわっ!」

不死鳥が大きく羽ばたくと、周囲に泥が飛び散った。フェリスの服に飛沫がかかる。

「バタつくな、汚い。ソラにもらった服だ」

「それは失礼、ちょっと水浴びをしてきますわ!」

そう言って、不死鳥は近くの泉に身を浸した。