外れスキルでSSSランク魔境を生き抜いたら、世界最強の錬金術師になっていた~快適拠点をつくって仲間と楽しい異世界ライフ~

灰色の雲から発生した電流が、不死鳥へと収束していく。

不死鳥の身体が眩しく輝いた。

緑色の画面が浮かび上がる。



【疾風迅雷】



雷と一体化した不死鳥が、輝く電撃が、“ソラ”を貫いた。

「……あなたさえ、あなたさえ倒してしまえばッ!!」

雷光が静まり、嵐は霧雨に。

その中で浮かび上がる“ソラ”は――。

「な、なんですのこれはっ!!」

「ソラ! ニセモノ! ボク!」

ミュウがいつの間にか得ていた、身体をゴムに変化させるスキル。身体を俺そっくりに変形させていたミュウは、不死鳥の雷撃を見事に受け止めたのだ。

「今だッ!!」

俺が叫ぶと、竜王と狼王が飛び出した。慌てて飛び立とうとする不死鳥を、上から押さえつける。必死に逃れようとする不死鳥だが、膂力ではふたりに適うはずもない。やがて力を使い果たした不死鳥は、倒れ伏した。

「負け……ましたわ……」

泥に這いつくばって、不死鳥は悔しげにうなだれる。

「リュカ、フェリス、不死鳥を放してやってくれ」

ふたりは不死鳥を解放すると、人間態に姿を変えた。俺はミュウを抱え上げて、撫でてやった。

「よくやったな! お前のスキルがなければ、隙を突くことはできなかった」

「みゅ! ガンバッタ!」

「ソラ、まさか白鯨を撃ち落とすなんて! あんな技、いつの間に身につけたの?」