外れスキルでSSSランク魔境を生き抜いたら、世界最強の錬金術師になっていた~快適拠点をつくって仲間と楽しい異世界ライフ~

リュカは涙を拭った。

「あなたはいつも、本当に不思議なことを思いつくのね。本当に……本当に不思議」

「生きてきた世界が違うからだよ。俺のいた世界じゃ、当たり前のことだった」

「でもここでは違う。ソラはこの森の救世主よ」

「おおげさだよ」

「おおげさじゃない」

フェリスが顔を上げる。

「すべてが変わろうとしている。この森のすべてが。ソラ、お前によってだ」

フェリスは透きとおるような瞳で、まっすぐに俺を見た。

「お前の計画のためなら、私はなんだってやるつもりだ」

俺はフェリスの言葉に、深く頷いた。リュカも、フェリスも、覚悟は決まっている。ならば、もうやるしかない。

「不死鳥のところへ行こう」

「みゅ! フシチョウ! コワクナイ!」

「そうだな、お前は強いもんな」

「ボクヨリ、ソラツヨイ! ダカラダイジョウブ!」

「ありがとう」

ミュウを含めた俺たち四人は、長い道のりを歩いて森の中央へと到着した。広場に風が吹き、砂埃が舞った。近くの木から、鳥たちが一斉に羽ばたいた。俺は大きく息を吸う――そして。

「いるんだろう!? 不死鳥!」

俺がそう叫んだ瞬間、雨が降り始めた。雨は嵐になり、嵐はやがて雷を連れてきた。

「いますとも! いますとも!」

不死鳥の甲高い声が、広場に響き渡る。

「逃げずにここへ来たことを、まずは褒めてさしあげますわ!」