相槌を打つように、雷が轟く。

「竜王は少しばかり血の気の多いお方ですし、狼王は他者と相容れないお方。それに比べれば、わたくしなどは話し相手にちょうど良いかと存じますわ。何を話すにしてもまずはお名前からです。是非是非伺いたいですわ」

「俺は、ソラだ」

「まあ、素敵なお名前。ソラ様! きっとさぞ素晴らしい謂われがあるのでしょうね!」

「なんか、生まれた日の天気が良かったとかで」

「なるほどなるほど、それはそれは。〈第五の存在〉ソラ様は、この洞窟近辺が気に入っておいでということでしょうか?」

「気に入ると言うか……最初は不可抗力って感じだったかな。そもそも俺はさ……」

言葉を続けようとすると、リュカが耳打ちしてきた。

「奴に弱みを見せるな……」

俺は密かに頷く。軽いノリで話しかけてくるけれども、気軽に接して良い相手ではないようだ。