その何かが引っかけたのだろう、枝が落ちてきて、腐った倒木を砕いた。俺の真横だ。倒木の断面から、大量の何かの幼虫がボロボロとこぼれおちた。うわ、気持ち悪い。いや、それどころじゃない。それどころじゃ――なかった。
俺は見上げた。
巨大な――恐竜か?
「嘘……だろ……」
今見ているものが信じられなかった。魔物だ。まるでゲームの世界だ。
体躯は3メートルほど。鋭い黄色い眼が、俺を睨み付ける――肌があわだつ感覚が、背筋を上った。
俺はそうっと倒木の影から立ち上がり、後ずさりながら、ステータスを開いた。【錬金術】で何かできるかもしれない。【錬金術】と表示されている一点を見つめると、詳細画面が開いた。
《鑑定》《構築》《合成》《分解》《金属変換》《抽出》……できることは、それなりにある。
《鑑定》
俺が念じると、鶏の化け物の上に緑色の文字で〈ワイバーン〉と表示された。それが、こいつの名前らしい。
――ズゥン、ズゥン、ズゥン。
俺を睨みつけながら、近づいてくる。
「………………!」
俺はところどころ露出した根につまずきそうになったり、ぬるぬるするコケに足を取られそうになったりしながらも、できるだけゆっくりと後退した。
――ドサドサッ
再び鳥の羽ばたく音。
俺は、そっと後ろを振り返る。
――ワイバーンがもう2匹!
囲まれた。
俺は見上げた。
巨大な――恐竜か?
「嘘……だろ……」
今見ているものが信じられなかった。魔物だ。まるでゲームの世界だ。
体躯は3メートルほど。鋭い黄色い眼が、俺を睨み付ける――肌があわだつ感覚が、背筋を上った。
俺はそうっと倒木の影から立ち上がり、後ずさりながら、ステータスを開いた。【錬金術】で何かできるかもしれない。【錬金術】と表示されている一点を見つめると、詳細画面が開いた。
《鑑定》《構築》《合成》《分解》《金属変換》《抽出》……できることは、それなりにある。
《鑑定》
俺が念じると、鶏の化け物の上に緑色の文字で〈ワイバーン〉と表示された。それが、こいつの名前らしい。
――ズゥン、ズゥン、ズゥン。
俺を睨みつけながら、近づいてくる。
「………………!」
俺はところどころ露出した根につまずきそうになったり、ぬるぬるするコケに足を取られそうになったりしながらも、できるだけゆっくりと後退した。
――ドサドサッ
再び鳥の羽ばたく音。
俺は、そっと後ろを振り返る。
――ワイバーンがもう2匹!
囲まれた。