ていうか、お母さんの見て、そんなピンピンしてられんの? 無理な笑顔してんなら、まずわたしのことはほっといてくれていいよ。

してるししてねえ。……や、その。ピンピンしてるし無理な笑顔はしてないんだよな。うちのかーちゃん、全然100まで生きるわ。ありがた。俺も鏡で見たけど結構生きるし。てまあ、こんなん言われても信じづらいよな、もうだいぶ信じてくれてそうだけど。



「葬式がどうこうっつーか、んー……最終的にかーちゃんと同じ墓に入れりゃいいっすね」

「そっ、か」

「ん。葬式は俺がひらいてほしいもひらかないでほしいも言えることじゃないかな。しょーじきね。ほら、あれじゃん。世間の目とかなんとか。人気者の楡くんですし、みんなひらいてくれーって言うかもしらん」



俺の余命さ、いちにち使うと、足が現在地から動かない限り相手に見えるらしいんよ。てことで見て、高良。

余命、だいじにしなさいよ。

高良にいちにちあげるみたいなもんだからいい。まああげらんないけど、気持ちてきなね。ほい、見ろ。これ鏡な。



差し出された鏡、映る自分、と、10年……何日だったかな。70日くらい? の、数字。


思わず1歩後ずさってしまって、数字が消えた。消えた、ことでまた深くなる、現実味。楡のことを見て、効果が切れたから楡の数字は見えなくて、見なくてよかったと安心してしまった。



まじじゃん。

まじっすよ。大まじ。