煌めくせかいでいちばんめ、




「このせかいのいいところ、いちばんめの発表していってもいい? あと大切なひとのこと好きって話とか」

「いちばんめから? いくつあるん。つうか最下位もあるってことかよ」

「ううん、いちばんめだなって思うとこだけ言ってくから、全部いちばんめの煌めきで話す」



今後、また煌めきを見失ったせかいに彷徨うことになったら、そのときには最下位をあげてく大会でもしようかなって思う。楡に言ったら、きっと、ネガティブなんだかポジティブなんだかってわらわれると思う。それでも、いい。それでも生きてく。最下位を探してたら、そのうち、いちばんめがたくさんあったことも、それならひとつくらいすぐ見つかるかなってことも、たぶんすぐに思い出せるから。



「でさ、言い終わったら、この手紙をかわいい便箋に書き直すから」

「え、めんどいね」

「ルーズリーフじゃ格好つかないでしょ。それで、そのあいだに楡も遺書書いて。わたしまだ読んでないんだよ。また今度をずっと待ってるの可哀想」

「あー……また今度」

「ちょっと」



低く唸るみたいな、「あー」



これは絶対、また後回しにしようとするやつ。ほんとうに後回しならいいんだけど、こいつ、言うだけで実行してくれないので。



言い出したのは楡なんだけどなあ。



「…………わかった、書く。書くけど、俺、すげえ恥ずいこと書くかもしれん。だから先送りにしてたんだけど」

「いいよ、なんでも。楡がわたしのために書くのが嬉しいから」

「時間、だいぶかかるかもしらん」

「そしたらわたし、園田ちゃんに手紙書きたいから大丈夫だよ。園田ちゃんには普通に、これからも仲良くしてほしいなの手紙渡すの」

「──高良の隣って、キラキラまぶしいっつうかうるさすぎてギラギラ痛いな」



楡がやれやれと言ったふうに、わざとらしくため息をつく。うるさいよ、と言って、わたしは新しく取り出した便箋に下敷きを引いた。





『煌めくせかいでいちばんめ、』おしまい