◆
楡と一緒に、ゆらちゃんに手紙を書いた。
ゆらちゃんを人間界の見える位置に連れ出してくれる、悪魔界でいう禁忌を犯してくれるようなわるいひとはいなくなったので、これが見えているかはわからないけれど。
「伝わらなくてもそれはそれでいんだよ。地獄っつっても、それぞれわりとひとりで自由に過ごしてんだわ。本気でわるいやつはなんか仕置き地獄になってるけど、それ以外は自由。だから案外ヒカワユラもわらってたし、大丈夫だろ。無責任にもそう思いますね」
「うん。……ゆらちゃんが楽しくしてたら、いいなって思う」
「ん。でもまあ、沼んとこで麦ちゃんには来ないでほしいって言ってたけどな」
「……ふうん」
「まあ地獄に来てくれって言わんよな、普通に」
「そうだね」
だからといって、簡単にじゃあしかたないなあとも思えない。少しくらい話したいな。けどこれは、大丈夫だよ。落ち込みというよりも、ちいさな子みたいな拗ねてるのが大きいから。
だって、絶対見てくれてるんじゃないかなって思うんだ。完全に無責任に思ってるだけ。確証なんてない。でもこれが、わたしのせかいではそうだと思うって完成した答え。
なあ、と楡が言う。
「まぶしすぎると思ってたけど、スパイみたいなことしてたらキラキラしてていいせかいだなって思ったわ」
「それはよかったね。目、めっちゃ開けて生きてこ」
「んで、いま、おまえはどう思う?」
いまのわたし。楡のことをわすれていたときには、どん底かよって気分だったけど。担任が嫌いなのも相変わらず変わらないし、まわりからのプレッシャーもすごいし、散々だなあってこともまあまあ結構じつはあるけど。


