「はいよー、おまたせ」
明るいお姉さんが窓を開け、楡がオーダーを言う。わたしのぶんまで言ってくれたから、わたしはふたりに向かって頭を下げた。
「800円になります」
「えっと、400……」
「俺払うよ」
「えっ、でも」
「まあまあ。俺の顔見てイケメンだなって思っといて」
まあまあじゃなくて、と口を開いたタイミングで、楡はぴったり800円をトレーの上に置き、財布をしまってしまった。それから勝ち誇ったような顔をする。
「ありがとうございます、いただきます」
「うむ」
お姉さんからクレープとスプーンを受け取って、ゆっくり座って食べられそうな公園まで行く。楡はその移動もテキパキしていた。あらかじめ、場所を決めていたのだろう。
「いただきます」
「いただきます!」
ニッコニコで挨拶する楡を見ながら、楡もじゅうぶんテンション高いなあ、と思った。


