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「おはよう高良あ、今日の俺はとくべつかっけえでしょ」
「うん?」
「なんと楡くん、腫れた目が治りました! いちど腫れたとこみてっからさ、かっこよくみえん?」
「よくわかんないなあ。あんまり、ひとのことかっこいいとかそうじゃないとか思えなくて」
登校いちばん、飛んでくる楡。ほんとう、昨日のわたしは疲れすぎだった。楡のことが見えなくなって、しかも、わすれるなんて。
どうしてそんなことになったんだろう。
「高良は元気ない?」
「……いつも元気の高良さんですよ」
「ほお?」
「はい」
「ところで高良さん」
「はい?」
「本日の放課後、ご予定は?」
「……ない、すかね」
出かけようよ。目の前の彼はへらりとわらった。この顔をするときの高良は、たいてい、あまいものの情報を手に入れてそればかりが頭にある。そんな状態だ。あまいもの好きめ。


