「1週間後くらいに渡そ、んで俺は、おまえにはパソコンで打つのを勧める」
「なんで?」
「なんでも」
「やだよ、めんどくさい。タイピングの遅さに戦くよ」
「戦きたくはないわ」
まあなんでもいいけど。楡は言って、またため息をつく。
「チャリ乗ったら、普通に事故りそうなくらい泣いた。視界不良」
「目、腫れちゃってるもんね」
「てことで歩くしついでに送りますかあ」
「え、いいの?」
「優しいからね」
「……そうだね」
「おい、不服さを前面に出して言うなや」
楡が送ってくれると言う。わざとらしいため息は気をつかわせないためですか、とは、さすがに気がついていても言わないけれど。
楡にも憧れちゃって、その憧れがほんとうに綺麗なものなのか疑ってしまって、なんだかもう生きづらい。