それから中学生になり、やっと学校に通えるようになった。
もう、世界はあの交通事故を風化させていた。
私は、自分のおかした過ちを叔母から聞かされて育ち、それを信じ込んだ。
いや、聞かされたというよりも、私がそう思うということをあのお葬式以来、再び、叔母に告げたら、部屋から出してもらえるようになった。
その後、叔母は暇さえあれば私を「嘘つき人間」だとか、「お前が家族を殺したんだ。」だとかそれまで以上に罵ってくるようになった。
高校生になると、私は通学途中にあるショッピングモールで買った舌ピアスを開けるための道具を自室に持ち込んで、1人で痛みに耐えながら舌に穴を開けた。
痛さのあまり、意識が遠のきそうになった。
その瞬間と感覚が、妙にあの日と重なっていた。
鏡を見ながら処置をした後、私は自分に対して
「嘘つき人間」
と告げた。