僕は加藤の言うがまま、口を少し開く。加藤はすぐに僕の唇に吸い付いてきた。僕がさっきした唇同士が微かに触れるようなキスとはまるで違う。彼女は痛いほど何度も何度も僕の唇と自分の唇を擦らせ、舌を絡ませてくる。彼女の唾液の味が、僕の理性を溶解させていく。僕は右腕を彼女の細い背中に回して、自分から腰を上下させてペニスを彼女の手のひらに押しつけた。彼女は僕に抱かれながら、左手を僕の右手首から放すと、自らワイシャツのボタンを外し、赤いブラジャーを露出させる。その様子を見て、僕のペニスがぴくんと動いた。彼女は僕から唇を放すと、目を細めた。
「緒方、私のブラ見ただけで、オチンチンまた固くなったよ。女の子のブラ見るの初めて?」
「エロ雑誌とAV以外ならね」
「そんなの見るな、もう絶対見るな」
加藤は身体を起こすと、僕に馬乗りになった状態で、ジャージとブレザーの上着、それにワイシャツを脱ぎ捨て、背中に両腕を回して、ブラジャーを外した。小ぶりだけどキレイな加藤の胸が僕の眼前でさらされる。加藤の上半身の素肌を見て、僕はごくんと唾を飲んだ。白くて透き通るような肌が、上気して微かに赤みを帯びている。乳首は小さくて、つん、と上を向いていた。改めて思う。やっぱり加藤は今まで僕が見たどんな女性よりキレイな子だ。出会ってから十年経っても、その思いは変わらない。
「緒方、ガン見しすぎ」
加藤が僕を見下ろして、くすくすと笑った。彼女にしては珍しい、はっきりと年相応の可愛らしい笑い方。
「ごめん」僕は指摘されて、慌てて視線を逸らした。
「馬鹿。いいんだよ好きなだけ見て。ほら触って、舐めて」
彼女は再び倒れ込むと、僕の頭を両腕で抱きしめた。突起した乳首を顔に押し当てられる。僕は彼女の胸を両手で持ち上げるようにして揉みながら、舌で彼女の左の乳首を口に含んだ。「あっ……」加藤は、その時、短く吐息混じりの小さな声を上げた。僕は夢中になって彼女の胸を吸い続けた。
「緒方、緒方……」