土曜日は一日家でゴロゴロするつもりだったけど、あの嫌な幻のことを思い出して落ち着かないし、買い物にでも行こう。
そう思って仲のいい友達のグループラインで誘ってみたけど空振り。
こんな時に限って友達はみんな予定が塞がっていて、結局ひとりで図書館に行くことにした。
市立図書館行きのバスは混みあっていた。
通路に立ってぼんやりしていたら、消防車がサイレンを鳴らして通り過ぎていった。
向かった先はうちの家がある方向だ。
鞄の中で震えるスマホに心臓がバクっと大量の血液を吸い込んだような気がした。
「火事だ、姉ちゃん、うちが火事だ」
嫌な予感がして、バスの中なのにわたしはスマホを耳に当てていた。うわずった碧の声に、いつもなら何冗談言ってんのよって叱り飛ばす言葉も出てこない。
火事?
そういえば最近空気が乾燥しているし、この間も消防車が走っているのを見た。
まさか、うちが?
ふとあのお香が目に浮かんだ。昨夜は全て燃え尽きていた。あれが原因のはずはない。だけど……。
震える指で停車ボタンを押した。
そう思って仲のいい友達のグループラインで誘ってみたけど空振り。
こんな時に限って友達はみんな予定が塞がっていて、結局ひとりで図書館に行くことにした。
市立図書館行きのバスは混みあっていた。
通路に立ってぼんやりしていたら、消防車がサイレンを鳴らして通り過ぎていった。
向かった先はうちの家がある方向だ。
鞄の中で震えるスマホに心臓がバクっと大量の血液を吸い込んだような気がした。
「火事だ、姉ちゃん、うちが火事だ」
嫌な予感がして、バスの中なのにわたしはスマホを耳に当てていた。うわずった碧の声に、いつもなら何冗談言ってんのよって叱り飛ばす言葉も出てこない。
火事?
そういえば最近空気が乾燥しているし、この間も消防車が走っているのを見た。
まさか、うちが?
ふとあのお香が目に浮かんだ。昨夜は全て燃え尽きていた。あれが原因のはずはない。だけど……。
震える指で停車ボタンを押した。