追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 仕方ない……ここは彼女の言う通りにしようか。そっちの方が早く話が済みそうだしね。
 それにこうしていたら、シンディーに背を向ける形となるから、彼女の豊満な胸と細い両足が見えなくなる。
 これなら自分のペースを取り戻せそうだ。
「では、いきます。よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ」
 少しするとシンディーの両の掌が、僕の背中を撫でる感触がした。
 当たり前だけれど、石鹸の泡でぬるぬるしている。
 それがくすぐったくて、思わず変な声をあげてしまいそうになった。
「ふふふ、フィルさんの背中、大きいです。こういうのを見ると男の人〜って感じがします」
「へ、変なこと言わないで! それにあんまりペタペタ触るのもやめて! くすぐったいから!」
 シンディーはなんとも思っていないだろうが、僕は心臓がはち切れそうになっていた。