追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 前髪がペターッと目元に付き、そのせいで前が見えない。
 僕は手探りで石鹸を探す。
「あっ、フィルさん。石鹸を探しているんですか? それならここです! はい、どうぞ!」
「ありがとう」
 彼女(・・)が差し出した石鹸を手に取り、両手で泡立たせる。

 ……ん?

 おかしいな。なんか違和感があるぞ。
 そもそもこのお風呂場には僕しかいないはずだ。
 それなのに誰が石鹸を──って思った時、その違和感の正体に気付く。
 反射的に後ろを振り返ったが──今思えばこれが最悪かつ、そしてある意味では最高の結果を僕にもたらすことになった。

「シ、シンディー!?」

 そう──そこには何故か、一糸纏わぬシンディーの姿があったのだ!
 いや、正しくは裸じゃない。
 バスタオルを体に巻いているため、大事なところ(・・・・・・)は見えなくなっている。
 しかしそれで彼女の大きな胸は完全に隠せるわけもない。