追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

『む、んぐんぐ!』
 僕は慌ててベルの口を手で塞ぐ。ベルは嫌そうだったが、本気で逃げようとはしなかった。
 そんな光景にシンディーは首をひねったものの、深くは考えなかったらしい。
 さらに話を続けた。
「わたしも御伽噺だと思っていますし、他の大多数の人々もそうでしょう。だからそんなものを信仰しているベルフォット教の人たちは余計に不気味なんです」
「た、確かにそうかもね」
 彼女の話にそう同意して、僕は再び新聞の記事に目を落とした。
 緋(ひ)色(いろ)のローブに身を包んだ男の絵が描かれていた。そのローブには、見ているだけで不安を駆り立てるような模様もあった。
 フードを深く被って、その顔までは分からない。
 どうやらこれがベルフォット教信者の特徴らしい。
 目に焼き付けておこう……ベルのこともあるし、あんまり関わり合いになりたくない。